ハウスイヤー


~日本の住宅は海外と比べて寿命が短い~

犬が人の何倍ものスピードで年をとっていくことを、「ドッグイヤー」と言いますが、日本においてはまさしく「ハウスイヤー」とも言うべき現象が起きています。どうしてでしょうか?

 

経済先進国と呼ばれる世界中の国で、住宅の寿命が圧倒的に短いのが日本です。日本の家の売却評価は、新築してから10年から15年でほぼ「ゼロ」になってしまいます。

一方、海外の家は「家の寿命は半永久的に持続する社会資産である」という考えがあり、建築後50年から60年以上経過した家を購入し、住むことが人生のステータスとされています。

その為海外では「中古住宅」という言葉はありません。

日本では「家が建つ」とか、「家が建っている」と表現されますが、イギリスでは「家が生えている」と表現されます。

 

日本では住まいの評価額(売値)は新築してから10年~15年くらいでほぼゼロ。つまり粗大ごみ評価になってしまいます。

かたや海外では、過去50年間にわたって住宅の価格は「年平均6.5%」の値上がりをみせているという事実があります。

知っていましたか?家が粗大ごみになる国と財産になる国の違いがあることを。

日本は文明先進国といわれても、家が生えることが出来ないという点に関しては劣等国と呼ばれても仕方のないところなのです。

 

また、日本では第二次世界大戦後焼け野原になった地域に、一棟でも多くの家を建築する必要性があり、金融金庫(住宅ローン)という制度を作り、国が国民の家造りを支援したのです。

この時ローンの期間を設定する為にある高名な専門家に相談したところ「バラック(廃材などで作った仮設住宅)でも25年はもつ」と言われたので25年ローンが出来たと言われています。

このことが皮肉にも「耐久性25年住宅」の始まりとなってしまいました。

その後住宅の耐久性も向上して今では35年ローンが主流となっています。しかし、住宅の寿命がローンの返済期間と同じなんておかしいと思いませんか?
例えば30歳で家を建てたら35年後、つまり65歳でまた家を建て替えなければいけないということです。

 

海外で当たり前のことが、まだ日本では普及していません。私たちは孫三世代に渡って住み継がれていく住まいをこれからも提案していき、いつか「ハウスイヤー」という言葉がなくなればいいなと考えています。